評価ハブ|目的別にスケールを選び、同条件で再評価する入口
評価が散らかったときは、目的を 1 つ決める → 第一選択を 1 本決める → 条件を固定して再評価する流れに戻すと臨床が回りやすくなります。最初から検査数を増やすより、初回は 1〜2 指標に絞り、同じ条件で繰り返せる形を作る方が、申し送り・カンファレンス・家族説明の説得力が上がります。
このページは、rehabilikunblog.com 内の評価記事を目的別に最短で引ける索引として整理した保存版ハブです。歩行・バランス、基本動作、ADL / IADL、呼吸・運動耐容能、疼痛、心理、PROM、高次脳機能、上肢機能などを目的別の入口に束ね、必要な各論へ迷わず進める構造にしています。
このハブの使い方
結論として、評価は目的 → 第一選択 → 条件固定の順にそろえるとブレにくいです。評価数を増やしても、靴・装具・補助具・介助量・環境が毎回変わると、再評価で変化を説明しにくくなります。
まずは下の 目的別サブハブ から該当領域へ進み、第一選択を 1 本決めてください。必要な場合だけ追加評価を 1 本足し、最後に 条件固定 をカルテに残すと、次回の比較が安定します。
- 目的を決める:歩行・バランス、ADL / IADL、呼吸、疼痛、高次脳機能など
- 第一選択を決める:まず 1 本、必要時のみ追加 1 本
- 条件を固定する:靴・装具・補助具・介助量・環境・回数を残す
目的別サブハブ
目的が決まっている場合は、下の表から該当入口へ進むのが最短です。各入口では、評価を増やしすぎず「第一選択 → 追加 1 本」の形で選べるようにしています。
※スマホでは表を左右にスクロールできます。
| 領域 | まず読む | 代表ページ | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| 基本動作 | 基本動作評価ハブ | ABMS-2 と BMS の違い | 離床・起居・移乗で詰まる場面を共有したい |
| 歩行・バランス | 歩行・バランス評価ハブ | TUG / 10 m 歩行 | 速度・方向転換・ふらつきを同条件で追いたい |
| 筋力 | 筋力評価の使い分け | MMT / Grade 4 と 5 | 固定・代償・抵抗の判定ブレを減らしたい |
| ADL / IADL | ADL・IADL 評価ハブ | FIM / Barthel Index / Lawton IADL | 退院判断・介助量・生活課題を整理したい |
| 呼吸・運動耐容能 | 呼吸・運動耐容能の評価ハブ | 6 MWT / mMRC / Borg | 息切れ・持久力・安全確認をセットで回したい |
| 疼痛 | 疼痛・安全管理ハブ | 疼痛評価スケールの使い分け | 痛みの強さと生活影響を分けて共有したい |
| 心理・メンタル | 抑うつ評価の流れ | PHQ-9 / HADS / SRQ-D 比較 | 不眠・意欲低下・活動量低下を評価で共有したい |
| 運動器 PROM | 運動器 PROM ハブ | NDI / DASH / LEFS / HOOS / KOOS / ODI | 部位別に生活機能と QOL を追いたい |
| 高次脳機能 | 高次脳機能評価ハブ | USN 抹消課題 | ベッドサイドから作業場面まで順番をそろえたい |
| 上肢機能 | 上肢機能評価ハブ | FMA-UE / ARAT / WMFT / BBT / 9HPT | 上肢評価の最小セットを決めたい |
| 廃用 | 廃用ハブ | 廃用の筋力トレーニング | 離床判断と負荷設定を運用に落としたい |
| 急性期・ICU | NEWS2 / MEWS | ICU-AW:MRC-SS / FSS-ICU | 離床前に「今日いけるか」を共有したい |
| 神経学的所見 | 神経学的評価ハブ | 感覚・反射・協調性の記録 | 所見の言葉と順番をそろえたい |
| 整形外科的テスト | 整形外科的テスト一覧 | 部位別の誘発テスト | 鑑別に必要なテストだけに絞りたい |
| スケール名で探す | 評価スケール索引 A–Z | 指標名から目的へ戻る | 尺度名は分かるが使いどころが曖昧なとき |
主要スケール早見表
「何を選べばいいか」で止まったときは、まず 1 本だけ決めて回すのが最短です。下表では、臨床で使いやすく、再評価に接続しやすい指標を中心に整理しています。
※スマホでは表を左右にスクロールできます。
| 目的 | まず選ぶ | 追加で深掘り | 記録で固定する条件 |
|---|---|---|---|
| 離床・起居の共有 | ABMS-2 / BMS | ABMS-2 と BMS の比較 | ベッド高、手すり、介助位置、靴・装具、バイタル |
| 歩行の変化 | 10 m 歩行 | TUG | 助走、減速距離、補助具、コース、測定回数 |
| 下肢機能 | SPPB | 5STS | 椅子高、手の使用、靴、介助、実施順 |
| ADL 自立度 | Barthel Index | FIM | できる能力か、実際にしている動作か |
| 運動耐容能 | 6 MWT | mMRC / Borg | コース、声かけ、休憩、SpO2、HR、症状 |
| 急性期の安全確認 | NEWS2 / MEWS | ICU-AW:MRC-SS | 測定タイミング、酸素条件、変化量、連絡基準 |
| 運動器 PROM | NDI / DASH / LEFS / HOOS / KOOS / ODI | 部位別の選び方 | 回答条件、回想期間、介助の有無、再評価間隔 |
条件固定をブレさせない
スコアが活きない原因の多くは、尺度そのものではなく条件のズレです。評価を増やす前に、条件セットを固定して記録するだけで、再評価の質は大きく上がります。
※スマホでは表を左右にスクロールできます。
| 詰まりどころ | 起こりやすいこと | 最小の修正 |
|---|---|---|
| 条件が毎回違う | 装具・補助具・介助量・声かけ・椅子高の差で、変化が説明できない | 物品・介助・環境・回数を「条件セット」として残す |
| 数値だけで終わる | どこで崩れたかが分からず、介入の優先順位が決まらない | 観察を 1 行追加する(立ち上がり、方向転換、息切れ、疼痛など) |
| 初回から増やしすぎる | 時間と安全管理が崩れ、どれも再評価できない | 初回は 1〜2 指標に絞り、24〜72 時間で同条件の再評価を 1 回入れる |
| カットオフを丸のみする | 対象・疾患・環境差を無視して、数値だけで判断してしまう | 閾値は目安として扱い、対象条件と観察所見を併記する |
現場の詰まりどころ
- 評価が増えすぎて再評価できない
- 目的 → 1 本 → 条件固定に戻す
- 運用を表で固定したい場合は、アウトカム運用テンプレートに寄せると止まりにくくなります
よくある失敗:評価が増えすぎて再評価できない
初回から検査数が増えると、条件ズレと時間不足で「測っただけ」になりがちです。まずは主役 1 本を決め、同条件で 24〜72 時間の再評価を 1 回入れて、説明が揃う形に戻します。
回避手順:目的 → 1 本 → 条件固定に戻す
迷いが出たら、目的を 1 つに戻してください。層別化なのか、要因分析なのか、生活場面の説明なのか、経時変化を追うのかで、選ぶ評価は変わります。目的を決めたら第一選択を 1 本採用し、条件セットを固定して再評価します。
関連ハブ
よくある質問(FAQ)
各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。
Q1. 評価が多すぎて回りません。まず何を減らすべきですか?
最初に減らすのは、目的とズレた検査です。目的が 1 つ決まれば、基本は第一選択 1 本+追加 1 本で十分に説明できます。いま変化を追いたいものを 1 つ決め、靴・装具・介助・環境などの条件セットを固定して再評価できる形に戻してください。
Q2. 初回評価は何本までに絞るのが安全ですか?
安全管理と時間の制約が強い場面ほど、初回は1〜2 指標が現実的です。数を増やすと条件ズレが起きやすく、再評価できないまま終わりがちです。まずは 1〜2 指標を同条件で回し、必要になった分だけ追加する方が運用は安定します。
Q3. カットオフはどこまで信じてよいですか?
カットオフは便利ですが、対象者の年齢・疾患・補助具・環境で前提が変わります。結論としては、目安として使い、観察所見とセットで残すのが安全です。数値だけで判断せず、「どこで詰まったか」を 1 行添えると説明力が上がります。
Q4. サブハブが多くて迷います。最短ルートは?
迷ったら、まずは歩行・バランスかADL / IADLのどちらかに寄せるのが早いです。移動課題が中心なら 歩行・バランス評価ハブ、介助量や退院調整が中心なら ADL・IADL 評価ハブから入ると、必要な各論へ短く辿れます。
次の一手
- 評価スケール索引 A–Zで、指標名から目的を確認する
- アウトカム評価テンプレートで、測定 → 判定 → 介入変更 → 再評価を運用に固定する
参考文献
- Podsiadlo D, Richardson S. The timed “Up & Go”: a test of basic functional mobility for frail elderly persons. J Am Geriatr Soc. 1991;39(2):142-148. DOI: 10.1111/j.1532-5415.1991.tb01616.x / PubMed: 1991946
- ATS Committee on Proficiency Standards for Clinical Pulmonary Function Laboratories. ATS statement: guidelines for the six-minute walk test. Am J Respir Crit Care Med. 2002;166(1):111-117. DOI: 10.1164/ajrccm.166.1.at1102
- Guralnik JM, Simonsick EM, Ferrucci L, et al. A short physical performance battery assessing lower extremity function. J Gerontol. 1994;49(2):M85-M94. DOI: 10.1093/geronj/49.2.m85
著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


