栄養・嚥下ハブ|スクリーニング→介入→再評価を 1 本線で回す

栄養・嚥下
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栄養・嚥下ハブ|スクリーニング→介入→再評価を 1 本線で回す

栄養と嚥下は、「どれを測るか」より先にスクリーニング → 次アクション → 再評価の型を作ると、チームの迷いと事故リスクが一気に減ります。このハブでは、 PT / OT / ST / 看護が現場で困りやすい①低栄養リスクの拾い上げ②嚥下のベッドサイド評価③介入(運動・食形態・口腔・呼吸)④モニタリングを、リンクで最短導線にまとめます。

「まず何をする?」を決めたいときは、下の早見表から入ってください。評価は条件を固定して記録できるほど再評価がラクになります。迷ったときの戻り先として、このページを使ってください。

このハブの想定読者

  • 病棟・回復期・在宅で、栄養と嚥下を最小セットで回したい PT / OT / ST / 看護師
  • 「スクリーニング陽性の次」「どこまでやって ST / 医師へつなぐか」に迷う方

このハブで得られること

  • 栄養:スクリーニング → アセスメント → 計画 → モニタリングの導線
  • 嚥下:観察 → RSST / MWST → 食形態と介入 → 精査( VE / VF )の導線
  • 「条件の固定」「記録の型」「よくある失敗」のチェックポイント

最短導線(まずはここ)

  1. 栄養スクリーニングの使い分け(場面別フロー)
  2. 摂食嚥下評価(総論)|ベッドサイド 5 分フロー
  3. リハ栄養の全体像( 5 ステップ )

目的別:まず引くページ早見表

※スマホでは表を左右にスクロールできます。

栄養・嚥下の目的別 “ 最短導線 ” 早見表(成人・病棟〜在宅)
目的 まずやる(入口) 次に押さえる(精度を上げる) 同条件で追う(再評価)
低栄養リスクを拾う 栄養スクリーニング使い分け MNA-SFNRS-2002GNRI 摂取量(%)+体重(傾向)+機能(歩行 / ADL )をセットで記録
ツールの違いで迷う MNA-SF / MUST / GNRI 比較 スクリーニングとアセスメントの違い 同じツール・同じ条件(期間 / 情報源)で追う
低栄養を “ 診断 ” につなぐ GLIM 基準 SGAPG-SGA(がん) 体重変化(%/期間)・摂取低下・炎症 / 疾患負荷を固定して追う
嚥下の全体像を先に掴む 嚥下評価(総論) 嚥下評価の実務フロー 体位・一口量・性状・観察ポイントを固定して再評価
ベッドサイドでまず拾う RSST MWST(改訂水飲みテスト)MWST と WST の比較 嚥下直後〜後嚥下の “ 声・咳・呼吸 ” を毎回同じ順で観察
主観(質問紙)で拾う EAT-10 EAT-10 と聖隷式の比較 同じ本人(同じ体調)・同じ頻度で追う(経時変化用)
誤嚥性肺炎を減らしたい 誤嚥性肺炎 予防バンドル 口腔・体位・活動量・呼吸・水分を “ セット化 ” して実装 毎日チェック( 1 行)+週 1 でミニ見直し

栄養:スクリーニング→計画→モニタリング

栄養は「評価」で止まると成果が出ません。現場向きの順番は、①リスク抽出(スクリーニング)②原因と重症度の整理(アセスメント / 診断)③必要量と手段の決定(計画)④経過で修正(モニタリング)です。まずは入口ツールを 1 つ固定し、陽性例だけ次へ進む設計にすると回りやすくなります。

「どの指標を使うか」で迷う場合は、MNA-SF / MUST / GNRI の比較から、対象(高齢 / 成人 / 入院)と必要データ(採血の有無)で決めるのが早いです。診断や多職種共有まで揃えたいときは、GLIMを “ 共通言語 ” として置くとブレが減ります。

嚥下:ベッドサイド評価→介入→精査へつなぐ

嚥下は、まず安全確認観察を固定し、次にツール( RSST / MWST / フードテスト等)で仮方針を作ると迷いが減ります。重要なのは、テスト単体の点数よりも、体位・一口量・性状・観察ポイントを揃えて「同じ条件で再評価」できる状態にすることです。

ベッドサイドの全体像は摂食嚥下評価(総論)、現場での分岐(どこまでやって、どのタイミングで VE / VF を検討するか)は嚥下評価の実務フローを基準にすると、チームで共有しやすくなります。

記録の型:抜け漏れを減らす最小テンプレ

栄養・嚥下は「所見が点在」しやすいので、まずは同じ順番で残すだけでも共有がラクになります。下のテンプレは、病棟・在宅で最低限そろえたい項目を 1 枚にまとめたものです(施設ルールに合わせて追加してください)。

栄養・嚥下の “ 最小記録 ” テンプレ(申し送り用)
領域 所見(例) 介入(例) 再評価(条件固定)
栄養 摂取量(%)/体重変化(%・期間)/炎症・併存症 補食・ ONS 検討/食事環境調整/運動負荷の段階化 週 1 ミニ再評価(摂取量+体重傾向+機能)
嚥下 観察(声・咳・呼吸)/ RSST / MWST 所見 体位・一口量・性状調整/口腔・呼吸の介入 同体位・同一口量で再評価(直後〜後嚥下の観察固定)
共有 「何が危険サインか」を 1 行で 誰に・いつ相談するか( NST / ST / 医師 ) 次回の観察ポイントを 1 行で

現場の詰まりどころ|解決の三段(必須)

よくある失敗:スクリーニング陽性の “ 次 ” が曖昧

栄養も嚥下も、陽性後に「誰へ・いつ・何を渡すか」が未定だと運用が止まります。まずは不足データ(体重変化 / 摂取量 / 炎症・疾患負荷)と、危険サインを 1 行ずつ固定してから共有すると、次アクションが決まりやすいです。

回避手順:体位・一口量・性状・観察順を固定して “ 同条件 ” で回す

嚥下は条件(体位・一口量・性状・観察ポイント)がズレると比較不能になり、栄養は参照期間や情報源がズレると判断が割れます。まずは同じ条件で追う設計に戻し、次回の再評価まで “ 1 本線 ” でつなげます。

栄養・嚥下で詰まりやすいポイントと対策(病棟〜在宅)
詰まりポイント よくある原因 立て直し(最小アクション) 記録のコツ
ツールが選べない 対象(高齢 / 入院 / 在宅)と目的(拾う / 診断 / 追う)が混在 場面別フローで入口を 1 つ固定 「目的」と「採用ツール」を冒頭 1 行に書く
スクリーニング陽性の次が曖昧 誰が・いつ・どこへ相談するかが未定 GLIMの要素を “ そろえる ” →共有 不足データ(体重変化 / 摂取量 / 炎症)をチェック欄化
嚥下テストの所見がブレる 体位・一口量・水温・観察順が毎回違う MWSTは条件固定(体位 / 量 / 観察) 「体位」「一口量」「直後〜後嚥下の所見」をセットで残す
過剰な食止め / 制限になりやすい リスク回避が優先され、再評価の設計がない 実務フローで “ 戻す条件 ” を決める 「中止基準」と「再開条件」を 1 行ずつ残す
誤嚥性肺炎の再発を繰り返す 口腔・体位・活動・呼吸・水分がバラバラ 予防バンドルでセット化 毎日 1 行チェック+週 1 見直し(固定)

よくある質問(FAQ)

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. 栄養は「スクリーニング」と「アセスメント」をどう使い分けますか?

まずはスクリーニングで「介入優先度が高い人」を拾い、陽性例は当日〜 48 時間以内を目安にアセスメントへ進めると運用が崩れにくいです。入口と次工程を 1 本線で整理するなら、違いの整理GLIMの順が分かりやすいです。

Q2. MNA-SF / GNRI / NRS-2002 はどれを選べばいいですか?

対象(高齢 / 入院 / 在宅)と、採血を使うか( Alb を前提にするか)で決めると早いです。迷ったら比較・使い分けで、施設の患者層に合わせて “ 入口を 1 つ固定 ” してください。

Q3. RSST と MWST はどちらを先にやりますか?

入口としては「観察 → RSST(反射の惹起性)→ MWST(少量水の安全性)」の順にすると、負荷を上げ過ぎにくく安全です。実施条件(体位・一口量・観察ポイント)が揃うほど再評価が安定します。詳しい流れは総論にまとめています。

Q4. EAT-10 はどんな場面で使うと便利ですか?

本人の「食べにくさ」を定量化して、経時変化を追いたい場面に向きます。まず疑いを拾うだけなら、他の手段と組み合わせて使い分ける方が安全です。比較はこちらにまとめています。

Q5. 「次に誰へ相談するか」をブレずに決めるコツは?

相談先( NST / ST / 医師 )を決める前に、「不足データは何か」「危険サインは何か」「再評価条件は何か」を 1 行ずつ固定すると共有が早くなります。本文の記録テンプレを “ 申し送りの型 ” として使ってください。

次の一手(行動)

運用を整えたあとに、職場環境の詰まりも点検しておきましょう

無料チェックシートを確認する チェック後の進め方を見る(PT キャリアガイド)

※内部リンク(同一タブ)


参考文献

  • Cederholm T, Jensen GL, Correia MITD, et al. GLIM criteria for the diagnosis of malnutrition – A consensus report. J Cachexia Sarcopenia Muscle. 2019;10(1):207-217. DOI: 10.1002/jcsm.12383
  • Detsky AS, McLaughlin JR, Baker JP, et al. What is subjective global assessment of nutritional status? JPEN J Parenter Enteral Nutr. 1987;11(1):8-13. DOI: 10.1177/014860718701100108
  • Belafsky PC, Mouadeb DA, Rees CJ, et al. Validity and reliability of the Eating Assessment Tool (EAT-10). Ann Otol Rhinol Laryngol. 2008;117(12):919-924. DOI: 10.1177/000348940811701210 / PubMed: 19140539
  • Bouillanne O, Morineau G, Dupont C, et al. Geriatric Nutritional Risk Index: a new index for evaluating at-risk elderly medical patients. Am J Clin Nutr. 2005;82(4):777-783. DOI: 10.1093/ajcn/82.4.777 / PubMed: 16210706
  • Kondrup J, Rasmussen HH, Hamberg O, Stanga Z. Nutritional Risk Screening (NRS 2002): a new method based on an analysis of controlled clinical trials. Clin Nutr. 2003;22(3):321-336. DOI: 10.1016/S0261-5614(02)00201-0 / PubMed: 12765673

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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