結論:「理学療法士は生活できない?」── 働き方と職場選び次第で十分に生活できます
「生活できない/やめとけ」という声の背景には、供給超過傾向(地域により有資格者が多い)と、賃金テーブル・手当・勤務体制の職場差があります。とはいえ、職場と地域の見直し、雇用形態の最適化、条件交渉で可処分所得は実務的に底上げできます(下表)。まずは現職の評価制度と手当体系を可視化し、転職や配置換えも含めて選択肢を比較検討しましょう。
「生活できない」と言われる主な理由(要点)
- 需給バランスの変化:養成数の増加により、地域によっては供給>需要で採用側が条件交渉で優位になりやすい局面があります。
- 報酬制度と職場差:診療・介護報酬、法人規模、加算体制、夜勤/オンコール、訪問稼働の設計などで年収レンジが変わります。
- 物価上昇の影響:CPI 上昇下では名目給与が横ばいでも体感の手取りが目減りします。
“生活できる”に寄せる具体策(優先度順)
まずは再現性の高い手数から着手しましょう。条件交渉のコツを先に押さえると、現職改善・転職いずれでも効きます。
| 優先度 | アクション | 期待できる効果 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 高 | 転職(法人規模や加算体制が整う病院/老健/訪問へ) | 基本給・賞与テーブルの改善、残業代の実支給、昇給余地の拡大 | 試用期間の条件、時間外の取り扱い、固定残業の有無を事前確認 |
| 高 | 勤務エリアの再設計(都市圏・訪問需要の強い地域) | 求人数とレンジが広がる/市場価値の向上 | 家賃・通勤コストとのトレードオフを試算 |
| 中 | 雇用形態の最適化(常勤+副業、非常勤や業務委託の組み合わせ) | 時間単価の改善、稼働の裁量確保 | 就業規則・兼業規定・保険の取り扱いに留意 |
| 中 | 経験の幅を計画的に拡張(急性期⇔回復期⇔生活期の往復) | 配属の選択肢が増え、役職・昇給につながりやすい | 短期ローテの乱発で履歴が散らばらないように設計 |
| 低〜中 | 認定・専門資格の取得/学会発表・院内教育 | 評価制度に反映される職場では手当・職責の根拠に | 資格手当の有無・金額は職場依存(事前に確認) |
よくある質問(FAQ)
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Q. 本当に理学療法士の給与で生活できますか?
A. 可能です。職場選びと手当設計が適切なら、単身・世帯いずれでも堅実な家計を作れます。特に訪問・回復期の需要が強い地域は選択肢が広がります。
Q. 年収を上げやすいフィールドは?
A. 一般論としては訪問リハ、加算体制の整う回復期、役職を伴う急性期など。法人規模・稼働設計で差がつきます。
Q. 新卒は何から始めれば?
A. まずは急性期〜生活期の流れをつかむ配属を意識し、その後に訪問や専門領域を「足せる」ように経験を設計しましょう。
まとめ:構造は変えにくい、でも“選び方と交渉”は今すぐ変えられる
供給超過や物価上昇といった構造要因は個人で動かせません。一方、職場・地域・形態・交渉という選択要因は今日から変えられます。見える化→比較→意思決定の順で動くと、短期の手取り改善と中長期の昇給余地の両方が狙えます。
参考文献
- 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」結果の概況(令和 6 年)公式ページ
- 厚生労働省「医療従事者の需給に関する検討会/理学療法士・作業療法士需給分科会」資料一覧
- 公益社団法人日本理学療法士協会「統計情報」会員・分布データ
- 総務省統計局「消費者物価指数(CPI)」公式ページ
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著者情報
rehabilikun(理学療法士)
rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。
- 脳卒中 認定理学療法士
- 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
- 登録理学療法士
- 3 学会合同呼吸療法認定士
- 福祉住環境コーディネーター 2 級
専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下


