
こんにちは!リハビリくんです!
今回は褥瘡リスクアセスメントスケールであるK式スケールについてまとめていきたいと思います!
褥瘡は発生してしまってから治すより、未然に発生を予防できればそれに越したことはありません。発生を防ぐためにはどうすればいいのか?そこで効果を発揮するのがリスクアセスメントスケールになります。
- K式スケールとは?
- 在宅版K式スケールとは?
- 評価方法が知りたい
- 他のリスクアセスメントスケールと何が違うの?
- 評価用紙が欲しい
K式スケールについて様々な疑問を抱えることがあると思います!そんな方のために、こちらの記事を読むことで上記の疑問が解決できるようにしたいと思います!是非、最後までご覧になってください!

【簡単に自己紹介】
埼玉県の医療機関で働いている理学療法士です
現在、院内にて入院患者様へのリハビリテーションと、介護保険サービスの方で利用者様への訪問リハビリテーションを行わせて頂いています!
主な取得資格は以下の通りになります
脳卒中認定理学療法士
褥瘡 創傷ケア認定理学療法士
3学会合同呼吸療法認定士
福祉住環境コーディネーター2級
「医療や介護に関わる人の力になるため」「患者様や利用者様に根拠のある適切なリハビリテーションを実施するため」をモットーに働く1児の父です!
最近気になっている資格なのですが、2023年より、日本急性期ケア協会が主催する急性期ケア専門士認定試験が実施されるようです。急性期ケア専門士は急性期ケア・急変対応におけるスペシャリストです。 状態変化の兆候をいち早く察知し、アセスメントから初期対応、 医師への報告など急性期におけるケアの実践を行えることを目指す資格となっています!
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K式スケールとは
K式スケールは別名「金沢大学式褥瘡発生予測尺度」とも呼ばれます。当時、金沢大学医学部保健学科教授の真田弘美先生が開発した高齢者のための褥瘡のリスクアセスメントスケールになります。主に病院で使われています。
褥瘡のリスクアセスメントスケールとして、日本の臨床現場に最初に導入されたのはブレーデンスケールでした。
ブレーデンスケールは6項目の合計点で判定しますが、項目ごとの評価の解釈が難しく、採点者によって点数にばらつきが生じるというデメリットがあります。また、日本人の高齢者における褥瘡予防として着目すべきポイントである骨突出の項目がありません。
そこで、評価項目に骨突出が組み込まれており、誰が採点しても点数のばらつきが生じにくく、信頼性と予測妥当性が高いK式スケールが開発されました。
在宅版K式スケールは「在宅版褥瘡発生リスクアセスメント・スケール」とも呼ばれています。在宅高齢療養者のために開発されました。
K式スケールの前段階要因に「介護知識がない」という項目、引き金要因に「栄養」という項目が追加されていることがK式スケールと在宅版K式スケールの違いになります。
上述したブレーデンスケールについては、他の記事で更に詳しくまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【ブレーデンスケールについての記事はこちらから】
エビデンスレベル(推奨度)
K式スケール、在宅版K式スケールのどちらも日本褥瘡学会の褥瘡予防・管理ガイドラインにおいて、高齢者のリスクアセスメント・スケールとして「推奨度C1」となっています。
評価表はこちらから


K式スケールおよび在宅版K式スケールをダウンロードできるようにしておきました!
評価表が必要な方はこちらからどうぞ☺
K式スケールの評価方法
K式スケールおよび在宅版K式スケールの評価のタイミングとしては、ADLが低下し床上生活(寝たきり)が中心になった時になります。しかし、寝たきりではなくても「最近、食事量が低下して痩せてきた」などのエピソードを起点に評価を始めるのも良いと思います。
このスケールは「前段階要因」と「引き金要因」で構成されており、この2段階で評価します。前段階要因は、患者の身体的要因や普段から持っている要因から構成され、下記の3項目を評価します。
- 「自力体位変換不可」
- 「骨突出」
- 「栄養状態が悪い」
前段階要因を評価した結果、1点以上ある場合は、引き金要因を採点します。引き金要因は、ケアの問題を示す要因から構成されています。下記の3項目を評価します。
- 「体圧」
- 「湿潤」
- 「ずれ」
要因の各項目をYes(1点)またはNo(0点)で答えます。合計は「前段階要因」「引き金要因」ともに0~3点になりますが、引き金要因が1つでも加わると発生リスクが高くなります。
在宅版K式スケールの評価方法も、K式スケールと基本的には同じになります。在宅版K式スケールの方が評価項目が多く、前段階要因で「介護知識がない」引き金要因で「栄養」という項目が増え、4項目ずつになっています。
在宅版K式スケールとK式スケールの違いを一言で説明するのであれば、在宅版K式スケールには『介護力を評価する項目』が加わっております。
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カットオフ値
カットオフ値はありませんが、前段階要因も引き金要因も点数が高いほど褥瘡発生リスクが高いという解釈になります。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます!
この記事ではK式スケールについて、まとめさせていただきました!
K式スケールは評価項目が少ないため、慣れてしまえば短時間でスムーズに繰り返し評価することができます。また、栄養状態の評価としてアルブミンや総蛋白の検査値も使用するので、妥当性が高い評価になります。
褥瘡のリスクアセスメントとして重要な評価ではありますが、体圧測定の値も評価に含まれますので適切に体圧を測定する技術が必要になります。体圧測定は馴染みがなく、慣れていない方も多いと考えられます。評価者によって測定値も変わりやすいため、このあたりがポイントになると思います。
褥瘡のリスクアセスメントスケールについては他の評価法も色々とあります。K式スケール以外のアセスメントについては、他の記事で更に詳しくまとめておりますので、こちらの記事もご覧になって頂けると幸いです☺️ 【褥瘡のリスクアセスメントスケールについての記事はこちらから】
参考文献
- 岡田克之.褥瘡のリスクアセスメントと予防対策.日本老年医学会雑誌,50巻,5号,2013:9,p583-591.