理学療法士と作業療法士の違いとは?7項目で比較してPTOTを学ぶ

理学療法士とは
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リハビリくん
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いつも当サイト(rehabilikun blog)の記事をお読みいただき誠にありがとうございます。また、初めましての方はよろしくお願い致します。サイト管理者のリハビリくんです!

   

この記事は「理学療法士と作業療法士の違い」をキーワードに内容を構成しております。こちらのテーマについて、もともと関心が高く知識を有している方に対しても、ほとんど知識がなくて右も左も分からない方に対しても、有益な情報がお届けできるように心掛けております。それでは早速、内容に移らせていただきます。

  

リハビリテーションは、病気や怪我などで身体や心に障害が生じた人々に対して、日常生活や社会生活を送るための能力を回復させるための医療の 1 つの分野になります。

    

リハビリテーションには、リハビリテーションの指示を出す医師の他に、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士という 3 種類の専門職が関わっています。これらの職種は、それぞれ異なる役割や目的を持っていますが、一般的には「療法士」と呼ばれています。

    

しかし、療法士と一口に言っても、理学療法士と作業療法士の違いはどのようなところになるのでしょうか?実施している内容も似たようなところがあり、分からない方が多くいらっしゃると思います。また、少し毛色が違う言語聴覚士とはどのような職業になるのでしょうか?この記事でリハビリテーション 3 職種について、わかりやすく解説していきます。

リハビリくん
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【簡単に自己紹介】

30代の現役理学療法士になります。

理学療法士として、医療保険分野と介護保険分野の両方で経験を積んできました。

現在は医療機関で入院している患者様を中心に診療させていただいております。

臨床では、様々な悩みや課題に直面することがあります。

そんな悩みや課題をテーマとし、それらを解決するための記事を書かせて頂いております。

  

理学療法士としての主な取得資格は以下の通りです

登録理学療法士

脳卒中認定理学療法士

褥瘡 創傷ケア認定理学療法士

3学会合同呼吸療法認定士

福祉住環境コーディネーター2級

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士として働いていると、一般的な会社員とは異なるリハビリ専門職ならではの苦悩や辛いことがあると思います。当サイト(rehabilikun blog)ではそのような療法士の働き方に対する記事も作成し、働き方改革の一助に携わりたいと考えております。

  

療法士の働き方に対する記事の 1 つが右記になりますが、"理学療法士は生活できない?PTが転職を考えるべき7つのタイミング"こちらの記事は検索ランキングでも上位を獲得することができております。興味がある方は、こちらの記事も目を通してくれると幸いです☺

理学療法士とは

まずは理学療法士の説明からしていきます。

理学療法士は、英語でいうと Physical Therapist(フィジカル・セラピスト)となり、略語で PT とも呼ばれます。病院や施設などで働いていると他職種からは「理学療法士の⚪︎⚪︎さん」「リハビリの⚪︎⚪︎さん」や「PT の⚪︎⚪︎さん」と呼ばれることが多いと思います。

理学療法士の誕生は半世紀前に遡ります。1965 年に、『理学療法士および作業療法士法』が施行されると、その翌年の 1966 年に第 1 回理学療法士国家試験が実施され、183 名の理学療法士が誕生しました。

その後、理学療法士の養成校の増加、養成校の入学定員数が増加したこともあり、理学療法士は現在まで増え続け、2023 年(令和 5 年)時点で理学療法士の国家試験取得者数は 213,735 名いることが公共社団法人日本理学療法士協会により報告されています。

理学療法士は、怪我や病気などで身体に障害のある人、障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力の改善および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する専門職になります。

理学療法士を簡単に説明するのであれば、基本動作の専門家になります。寝返り、起き上がり、立ち上がり、歩くなどの日常生活を行う上で必要になる動作へのアプローチ方法について熟知しています。

関節可動域の拡大、筋力強化、麻痺の回復、痛みの軽減など運動機能に直接働きかける治療法から、動作練習、歩行練習などの能力向上を目指す治療法まで、動作改善に必要な技術を用いて、日常生活の自立を目指します。

作業療法士とは

続いて作業療法士についてご説明します。

作業療法士は、英語でいうと Occupational Therapist(オキュペイショナル・セラピスト)となり、略語で OT とも呼ばれます。病院や施設などで働いていると他職種からは「作業療法士の⚪︎⚪︎さん」「リハビリの⚪︎⚪︎さん」や「OT の⚪︎⚪︎さん」と呼ばれることが多いと思います。

作業療法士の誕生は半世紀前に遡ります。1965 年に、『理学療法士および作業療法士法』が施行されると、その翌年の 1966 年に第 1 回作業療法士国家試験が実施され、20 名の作業療法士が誕生しました。

その後、作業療法士の養成校の増加、養成校の入学定員数が増加したこともあり、作業療法士は現在まで増え続け、2023 年(令和 5 年)時点で 109,079 名の作業療法士がおります。

作業療法士とは、身体や心の障害によって、日常生活や社会生活に支障がある人々に対して、生活に必要な「作業」を通して、能力の回復や生きがいを再獲得する職業になります。作業療法士を簡単に説明するのであれば、生きがい支援の専門家になります。

作業療法の世界では、着替えやトイレなどのセルフケアから家事、仕事、余暇、地域活動など、人を取り巻くすべての活動のことを「作業」と捉えています。そして「作業」が人と社会を繋ぐ接点になるという考え方から、人それぞれの作業活動・作業能力に対する支援を行います。

作業療法は、「基本的動作能力」「応用的動作能力」「社会的適応能力」の 3 つの能力を維持・改善し、「その人らしい」生活の獲得を目標にします。

  • 基本的動作能力:運動や感覚・知覚、心肺や精神・認知などの心身機能
  • 応用的動作能力:食事やトイレ、家事など、日常で必要になる活動
  • 社会的適応能力:地域活動への参加、就学・就労

人それぞれ、身体や心の障害を来たす前には、程度はさまざまであるにしろ、日常生活や社会生活を送っていたと考えられます。作業療法では上記の 3 つの能力に対して支援し、その人なりの、その人らしい生活を「作業」を通じて再獲得することができます。

理学療法士と作業療法士の違い

理学療法士と作業療法士について説明させて頂きましたが、実際に両者を比較したときにどのような違いがあるのでしょうか?項目ごとに解説していきます。

仕事内容

理学療法士と作業療法士の働き方、1 日の流れの大枠は変わりありません。病院であれば、その法人で課せられた 1 日の目標単位に向けて 1 単位 20 分で構成された疾患別リハビリテーションを実施することが基本形となります。

施設や介護保険分野であっても、やはり 1 日のノルマであったり、タイムスケジュールがあると思いますので、利用者さんのところに伺い、リハビリテーションを提供するといった働き方は同様になります。

仕事内容での違いをあげるのであれば、提供するリハビリテーションの内容が理学療法士と作業療法士で異なる部分があります。

理学療法士は基本動作の専門家であり、基本動作の回復を目標として、「立ち上がる」「起き上がる」「歩く」など、生活の基本となる動作のリハビリテーションを主に行います。

例えば、平行棒を使っての歩行訓練、ベッドから起き上がる動作の訓練であったり、それらの動作を遂行するために必要な部位の筋力トレーニングなどを実施します。

一方、作業療法士は基本動作、家事、仕事、余暇、地域活動など、人を取り巻くすべての活動のことを「作業」として捉えます。そして、その人にとって生きがいとなる作業は何になるのかというところを考察して、その部分に対して重点的にアプローチします。

対象者によっては、結果として実施するリハビリテーションの内容が類似したものになることもありますし、理学療法士が基本動作の再獲得を目指す中、作業療法士は IADL の料理という作業活動に着目してアプローチする場合もあります。

理学療法士も作業療法士も基本的な考え方は、「基本動作や日常生活活動に支障を来たす要因に対してアプローチして、対象者の QOL の向上を図る」というところになります。

これらの目標に向かう過程で、基本動作が重要と考え、基本動作からアプローチを始めていくのか、生活全体を捉え、常に生きがい支援に重きを置いてアプローチをしていくのか、これが理学療法士と作業療法士の仕事内容の違いになります。

有資格者数

理学療法士と作業療法士の人数を比較すると理学療法士の人口の方が多くなっております。

2023 年(令和 5 年)時点で理学療法士の国家試験取得者数は 213,735 名、作業療法士の国家試験取得者数は 109,079 名となります。

近年の国家試験の合格者数から考えてみても毎年、理学療法士が 10,000 名前後、作業療法士が 5,000 名前後合格しております。

今後もこのペースは暫く継続されると考えられるため、作業療法士よりも理学療法士の方が 2 倍程度多いという状況については、暫くの間は続いていくことが予想されます。

平均年齢

2022 年度の理学療法士国家試験合格者を含めた日本理学療法士協会に所属している 2023 年 3 月時点での理学療法士は 136,357 名と日本理学療法士協会のホームページで掲載されています。

136,357 名の内訳は男性が 82,881 名で男性の平均年齢が 35.6 歳、女性が 53,476 名で女性の平均年齢が 34.7 歳となります。そのため、理学療法士全体の平均年齢は 35.24 歳となります。

作業療法士についての 2020 年 3 月時点での統計によると、男性 23,896 名の平均年齢が 35.48 歳、女性 38,349 名の平均年齢が 34.81 歳となります。そのため、作業療法士 62,245 名の平均年齢は 35.07 歳となります。

理学療法士の平均年齢が 35.24 歳、作業療法士の平均年齢が 35.07 歳となりますので、年齢差はないと言っていいでしょう。そして同時に、平均年齢が若い発展途上の業界といえます。

男女比

上述したデータを参考に男女比を算出します。理学療法士の男女比は、男性 82,881 名、女性 53,476 名ということで、男性 60.8 %、女性 39.2 %となります。

一方、作業療法士は男性 23,896 名、女性 38,349 名ということで、男性 38.4 %、女性 61.6 %となります。

理学療法士と作業療法士を比較すると丁度男女比が入れ替わったくらいの比率が理学療法士と作業療法士の関係性になります。

実際に筆者の勤務地でも理学療法士と作業療法士の男女比を確認してみると、見事に理学療法士が 男:女=6:4 程度、作業療法士が 男:女=4:6 程度のバランスになっています。

国家試験

理学療法士と作業療法士の国家試験の違いについて解説していきます。

国家試験の回答形式は多肢選択方式(マークシート)であり、午前:100 問、午後:100 問の合計 200 問から構成されています。

200 問× 各 1 点の 200 点満点ではなく、一般問題が 1 問 1 点で合計 160 問=160 点、実地問題が 1 問 3 点で合計 40 問= 120 点の合計 280 満点という配点になっています。

一般問題と実地問題の試験の内容・項目は以下の通りになります。理学療法士も作業療法士もほとんど同じ項目が並びますが、理学療法士国家試験であれば一般問題と実地問題に「理学療法」が、作業療法士国家試験であれば一般問題と実地問題に「作業療法」という項目が加わります。

【一般問題】

  • 解剖学
  • 生理学
  • 運動学
  • 病理学概論
  • 臨床心理学
  • リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む。)
  • 臨床医学大要(人間発達学を含む。)

【実地問題】

  • 運動学
  • 臨床心理学
  • リハビリテーション医学
  • 臨床医学大要(人間発達学を含む。)

理学療法士国家試験の過去 5 年間の合格率を振り返ると以下のような結果となります。

  • 第 54 回理学療法士国家試験:85.8 %
  • 第 55 回理学療法士国家試験:86.4 %
  • 第 56 回理学療法士国家試験:79.0 %
  • 第 57 回理学療法士国家試験:79.6 %
  • 第 58 回理学療法士国家試験:87.4 %

理学療法士の過去 5 年間の合格率の平均は 83.64 %となります。

次に、作業療法士国家試験の過去 5 年間の合格率を振り返ると以下のような結果となります。

  • 第 54 回作業療法士国家試験:71.3 %
  • 第 55 回作業療法士国家試験:87.3 %
  • 第 56 回作業療法士国家試験:81.3 %
  • 第 57 回作業療法士国家試験:80.5 %
  • 第 58 回作業療法士国家試験:83.8 %

作業療法士の過去 5 年間の合格率の平均は 80.84 %となります。

このようなデータから比較すると理学療法士より作業療法士の方が国家試験合格率が僅かに低い傾向があることがわかります。

給与、年収

結論から述べると理学療法士と作業療法士の給与や年収に格差はありません。

厚生労働省が公表している令和 4 年度賃金構造基本統計調査によると、理学療法士や作業療法士の年収は、431 万円と報告されており、その内訳は月収が 300,700 円、賞与が 698,400 円、データを収集した療法士の平均年齢は 34.7 歳となります。

理学療法士と作業療法士の基本給や資格手当に格差はありませんが、理学療法士は作業療法士よりも総人口が 2 倍程度ということもあり、職場によっては作業療法士よりも理学療法士の方が昇進しやすい場合があります。そのような場合には、役職手当などの存在により理学療法士の方が給与が多くなる可能性が考えられます。

専門分野、領域

理学療法士と作業療法士の違いの最後は、専門分野や領域にあります。理学療法士と作業療法士は、それぞれ異なる分野や領域に特化した知識や技術を持っています。例えば、理学療法士は、以下のような分野や領域を得意分野としています。

  • 運動器リハビリテーション
  • 神経リハビリテーション
  • 循環器リハビリテーション
  • 呼吸器リハビリテーション
  • 小児リハビリテーション
  • スポーツリハビリテーション
  • 在宅リハビリテーション

一方、作業療法士は、以下のような領域を得意分野としています。

  • 認知リハビリテーション
  • 精神リハビリテーション
  • 小児リハビリテーション
  • 老年リハビリテーション
  • 在宅リハビリテーション
  • コミュニティリハビリテーション
  • 職業リハビリテーション

言語聴覚士とは

最後に言語聴覚士についてご説明します。

言語聴覚士は、英語でいうと Speech-Language-Hearing Therapist(スピーチ・ランゲージ・ヒアリング セラピスト)となり、略語で ST とも呼ばれます。

言語聴覚士の誕生は半世紀前に遡ります。1965 年に、『理学療法士および作業療法士法』が施行されると、その翌年の 1966 年に第 1 回作業療法士国家試験が実施され、20 名の作業療法士が誕生しました。

理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のリハビリ 3 職種については、同じタイミングで誕生したように感じますが、実は言語聴覚士は、理学療法士と作業療法士が誕生し、少し年月が経過してから誕生した国家資格になります。

言語聴覚士については、『理学療法士および作業療法士法』が施行された 1965 年頃より必要性が訴えられ、1971 年には国立聴力言語障害センター(現国立身体障害者リハビリテーションセンター)に専門職員養成所が設置され、言語聴覚士の養成を開始しました。

その後、急速な高齢化社会の到来を迎え、言語聴覚士の早急な国家資格化が必要であるということで、1997 年 12 月の国会で言語聴覚士法が制定、1999 年 3 月に第 1 回国家試験が実施され、4003 名の言語聴覚士が誕生しています。

2010 年度以降には、毎年 1,600 名から 2,000 名程度の言語聴覚士が増えており、2023 年(令和 5 年)時点で言語聴覚士の国家試験保有者数は 39,896 名となっています。

言語聴覚士を一言でいえば、「話す」「聞く」「食べる」の専門家になります。

ことばによるコミュニケーションには言語、聴覚、発声・発音、認知などの各機能が関係しています。これらの機能は病気や交通事故、発達上の問題などで、何らかの障害が生じる可能性があります。

言語聴覚士はことばによるコミュニケーションに問題がある方に言語聴覚療法を実施し、自分らしい生活を構築できるよう支援する専門職になります。また、ことばだけではなく、摂食・嚥下の問題にも専門的に対応することができます。

ことばによるコミュニケーションの問題は失語症や高次脳機能障害の他、聴覚障害、ことばの発達の遅れ、声や発音の障害など多岐に渡り、小児から高齢者まで幅広く現れます。言語聴覚士はこのような問題の本質や発現メカニズムを明らかにし、対処法を見出すために検査・評価を実施し、必要に応じて訓練、指導、助言、その他の援助を行います。

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます!

この記事では「理学療法士と作業療法士の違い」をキーワードに考えを述べさせていただきました。

こちらの記事が、理学療法士や作業療法士の職業についての理解を深めることに繋がり、現役の療法士の不安解消や、これから理学療法士・作業療法士を目指そうとしている人のお力添えに少しでもなれば幸いです。

参考文献

  1. 上田敏.理学療法の50年.理学療法学.第42巻,第8号,p742-743,2015.
  2. 日本作業療法士協会.2019 年度日本作業療法士協会会員統計資料.日本作業療法士協会誌 .第102号,2020年9月,p5-18.
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