栄養・嚥下ハブ|スクリーニング→介入→再評価を1本線で回す

栄養・嚥下
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栄養・嚥下ハブ|スクリーニングから再評価まで整理

栄養と嚥下は、単独の評価だけで判断すると、次の行動が曖昧になりやすい領域です。まずは スクリーニング → アセスメント → 介入 → 再評価 の流れを 1 本線にすると、チーム内の迷いと事故リスクを減らしやすくなります。

このページは、PT・OT・ST・看護が病棟、回復期、施設、在宅で使いやすいように、低栄養リスク、嚥下評価、誤嚥性肺炎予防、記録、申し送りの導線をまとめた索引(ハブ)です。迷ったら、下の早見表から「いま困っている目的」に近い行を 1 つ選んでください。

迷ったら「栄養リスクを拾う → 嚥下を安全に見る → 再評価条件を残す」の順で進めます。
栄養スクリーニングの使い分けへ

関連:摂食嚥下評価嚥下評価の実務フロー誤嚥性肺炎 PT 実務ハブ

最短の使い方

栄養・嚥下で迷いやすいのは、陽性所見を拾ったあとに「次に誰へ、何を、いつ共有するか」が決まっていない場面です。最初に、スクリーニング、次アクション、再評価条件をセットで決めておくと、申し送りがスムーズになります。

  • 栄養:低栄養リスクを拾い、必要に応じてアセスメントや GLIM へ進む
  • 嚥下:観察、RSST、MWST などを条件固定で行い、必要時は ST・医師へつなぐ
  • 記録:体位、一口量、食形態、観察所見、再評価条件を同じ順番で残す

目的別の最短導線

まずは目的別に入口を 1 つ決めます。スクリーニングで陽性になった場合は、次に不足データ、危険サイン、相談先を確認してください。

※スマホでは表を左右にスクロールできます。

栄養・嚥下の目的別最短導線(成人・病棟〜在宅)
目的 まずやること 精度を上げる記事 再評価で残すこと
低栄養リスクを拾う 栄養スクリーニング使い分け MNA-SFNRS-2002GNRI 摂取量、体重傾向、ADL・歩行などの機能変化
栄養ツールの違いで迷う MNA-SF / MUST / GNRI 比較 スクリーニングとアセスメントの違い 同じツール、同じ期間、同じ情報源で追う
低栄養診断へつなぐ GLIM 基準 SGAPG-SGA 体重変化、摂取低下、炎症・疾患負荷
嚥下の全体像を掴む 摂食嚥下評価 嚥下評価の実務フロー 体位、一口量、性状、観察順を固定する
ベッドサイドで拾う RSST MWSTMWST と WST の比較 嚥下後の声、咳、呼吸、SpO₂ 変化を同じ順番で見る
主観的な困りごとを拾う EAT-10 EAT-10 と聖隷式の比較 同じ本人、同じ体調、同じ頻度で経時変化を見る
誤嚥性肺炎を予防する 誤嚥性肺炎 予防バンドル 誤嚥性肺炎 PT 実務ハブ 口腔、体位、活動、呼吸、水分を毎日 1 行で確認する

栄養の流れ

栄養は、評価だけで止まると成果につながりにくくなります。現場では、リスク抽出、アセスメント、計画、モニタリングの順で進めると、多職種で共有しやすくなります。

入口ツールは、対象者と目的で選びます。高齢者が中心なら MNA-SF、採血データを活用するなら GNRI、入院患者の栄養リスクを広く見るなら NRS-2002 など、施設で 1 つ決めておくと運用が安定します。

嚥下の流れ

嚥下は、まず安全確認と観察を固定し、次に RSST、MWST、フードテストなどで仮方針を作ると迷いにくくなります。テストの結果だけでなく、体位、一口量、食形態、観察ポイントをそろえることが重要です。

ベッドサイド評価の全体像は 摂食嚥下評価、分岐の考え方は 嚥下評価の実務フロー から確認してください。必要時は ST・医師へつなぎ、VE / VF などの精査も検討します。

記録と申し送り

栄養・嚥下は、所見が点在しやすい領域です。摂取量、体重、体位、一口量、食形態、観察所見、相談先、再評価条件を同じ順番で残すと、次の担当者が動きやすくなります。

※スマホでは表を左右にスクロールできます。

栄養・嚥下の最小記録テンプレ(申し送り用)
領域 所見 介入 再評価条件
栄養 摂取量、体重変化、炎症、併存症 補食、ONS、食事環境調整、運動負荷の段階化 週 1 回、摂取量・体重傾向・機能を確認
嚥下 声、咳、呼吸、RSST、MWST 所見 体位、一口量、性状、口腔ケア、呼吸介入 同じ体位・同じ一口量・同じ観察順で確認
共有 危険サインを 1 行で整理 NST、ST、医師へ相談する条件を決める 次回の観察ポイントを 1 行で残す

現場の詰まりどころ

栄養・嚥下で詰まりやすいのは、スクリーニング陽性後の次アクションが曖昧になることと、条件が固定されず再評価できないことです。まずは、誰に何を渡すか、次回どの条件で見るかを決めます。

※スマホでは表を左右にスクロールできます。

栄養・嚥下で詰まりやすいポイントと対策
詰まりポイント よくある原因 立て直し 記録のコツ
ツールが選べない 対象と目的が混在している 場面別フローで入口を 1 つ決める 目的と採用ツールを冒頭に書く
陽性後の次が曖昧 誰へ、いつ、何を相談するか未定 GLIMの要素をそろえて共有する 不足データをチェック欄化する
嚥下テストの所見がブレる 体位、一口量、水温、観察順が毎回違う MWSTは条件を固定する 体位・一口量・後嚥下所見をセットで残す
過剰な食止めになる 再評価と再開条件がない 実務フローで戻す条件を決める 中止基準と再開条件を 1 行ずつ残す
誤嚥性肺炎を繰り返す 口腔、体位、活動、呼吸、水分がバラバラ 予防バンドルでセット化する 毎日 1 行チェック+週 1 回見直し

よくある質問

各項目名をタップ(クリック)すると回答が開きます。もう一度タップで閉じます。

Q1. 栄養はスクリーニングとアセスメントをどう使い分けますか?

A. スクリーニングはリスクのある人を拾う入口、アセスメントは原因や重症度を整理する工程です。まずスクリーニングで拾い、陽性例は体重変化、摂取量、疾患負荷、炎症などを確認して次工程へ進めます。

Q2. MNA-SF、GNRI、NRS-2002 はどれを選べばよいですか?

A. 対象と使えるデータで選びます。高齢者中心なら MNA-SF、採血データを使うなら GNRI、入院患者の栄養リスクを広く拾うなら NRS-2002 が候補です。施設で入口を 1 つ固定すると運用しやすくなります。

Q3. RSST と MWST はどちらを先に行いますか?

A. まず観察で安全確認を行い、RSST で唾液嚥下の反復性を見て、必要に応じて MWST で少量水の安全性を確認する流れが扱いやすいです。体位、一口量、観察ポイントを固定してください。

Q4. EAT-10 はどんな場面で使いますか?

A. 本人が感じている食べにくさを定量化し、経時変化を追いたい場面で使いやすいです。ただし、本文や配布物で原文項目を丸写しせず、公式の入手先と運用方法を示す形に留めます。

Q5. 相談先をブレずに決めるコツはありますか?

A. 相談先を決める前に、不足データ、危険サイン、再評価条件を 1 行ずつ整理します。栄養なら NST や医師、嚥下なら ST や医師につなぐ条件を、施設内であらかじめ決めておくと迷いにくくなります。

次の一手

栄養・嚥下は、陽性所見を拾ったあとに次アクションへつなぐことが重要です。まずは全体像か、すぐ実装できる予防バンドルのどちらかに進んでください。


参考文献

  • Cederholm T, Jensen GL, Correia MITD, et al. GLIM criteria for the diagnosis of malnutrition – A consensus report. J Cachexia Sarcopenia Muscle. 2019;10(1):207-217. doi:10.1002/jcsm.12383
  • Detsky AS, McLaughlin JR, Baker JP, et al. What is subjective global assessment of nutritional status? JPEN J Parenter Enteral Nutr. 1987;11(1):8-13. doi:10.1177/014860718701100108
  • Belafsky PC, Mouadeb DA, Rees CJ, et al. Validity and reliability of the Eating Assessment Tool(EAT-10). Ann Otol Rhinol Laryngol. 2008;117(12):919-924. doi:10.1177/000348940811701210
  • Bouillanne O, Morineau G, Dupont C, et al. Geriatric Nutritional Risk Index: a new index for evaluating at-risk elderly medical patients. Am J Clin Nutr. 2005;82(4):777-783. doi:10.1093/ajcn/82.4.777
  • Kondrup J, Rasmussen HH, Hamberg O, Stanga Z. Nutritional Risk Screening(NRS 2002): a new method based on an analysis of controlled clinical trials. Clin Nutr. 2003;22(3):321-336. doi:10.1016/S0261-5614(02)00201-0

著者情報

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun(理学療法士)

rehabilikun blog を 2022 年 4 月に開設。医療機関/介護福祉施設/訪問リハの現場経験に基づき、臨床に役立つ評価・プロトコルを発信。脳卒中・褥瘡などで講師登壇経験あり。

  • 脳卒中 認定理学療法士
  • 褥瘡・創傷ケア 認定理学療法士
  • 登録理学療法士
  • 3 学会合同呼吸療法認定士
  • 福祉住環境コーディネーター 2 級

専門領域:脳卒中、褥瘡・創傷、呼吸リハ、栄養(リハ栄養)、シーティング、摂食・嚥下

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